粘土瓦の特性について

ysroof

2007年04月11日 10:20

粘土瓦の特性について

瓦は天然素材である自然の粘土を原料とした大型厚物焼成品です。
粘土は採取場所により、その成分・性質は微妙に異なり、また同一場所の採取でも全く均一ではありません。
このため瓦には、自然素材特有の現象が見られることがありますが、瓦本来の品質、性能に何ら問題はありませんので、安心してご利用いただけるようお願い致します。

色ムラ
粘土成分の違いや、気圧・気象条件による焼成釜内雰囲気の変化により、微妙な色ムラが発生している場合があります。

ネジレ・寸法
焼き物特有の若干のネジレや寸法のバラツキがある場合があります。また瓦は重ね合わせて施工していきますので、葺き上げ後に瓦と瓦の間に隙間が発生することがあります。

貫入(かんにゅう)陶器瓦(釉薬瓦)は貫入(かんにゅう)と呼ばれる表面亀裂が発生する場合があります。これは陶器製品特有の現象で生地を焼いて焼結させる場合、粘土と釉薬の収集率の違いにより釉薬表面に細かい亀裂が発生します。但しこれは製品生地までの亀裂ではなく製品の品質(漏水、強度など)には問題ありません。

ピンホール
陶器瓦(釉薬瓦)には釉薬面にピンホールと呼ばれる小さいへこみや粘土素地の露出が発生している場合があります。釉薬の気泡や粘土に含まれる有機物(イワ木、小石等)などが燃焼して発生するものですが、品質(漏水、強度など)には問題ありません。

黒ずみ
いぶし瓦は経年変化による黒ずみなどの色変化が発生する場合がありますが、これは自然素材であるいぶし瓦特有の現象であり、品質の劣化を伴うものではありません。

赤錆いぶし瓦は粘土に含まれる鉄分が瓦表面にある場合、雨水により点状の赤錆が発生する場合があります。これは品質的な劣化ではなく、表面層での一時的な現象であり、拡大したり、また内部に進行するものではありません。

表面の汚れ
施工後、日焼けによる色あせやホコリの付着などによる色合いの変化が発生する場合があります。また、住宅の立地条件により瓦表面に緑藻類などの汚れが付着することがありますが、屋根材としての品質・性能及び耐久性を損なうものではありません。

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